2012年11月13日

 指紋認証について、これまで、指紋センサーの形状、指紋センサーの種類と書きました。今回は、第三回目となり、指紋認識の方法について、記載したいと思います。

 指紋センサーで読み取られた指紋画像は、どのように記録され、認証の際に、どのように比較されるのでしょうか。

画像マッチング方式

 おそらくこれが、皆様には一番分かりやすい方法ではないでしょうか。昔の刑事ドラマ(今でもかな)のワンシーンに出てくるような、指紋の画像同士を、重ね合わせて重なったら本人特定できるという、そのままの方式をコンピュータで行う物です。センサーで読み取った指紋の画像を、そのまま記録しておき、認証の際に取得した指紋画像と重ね合わせて、比較を行います。  指紋を画像として登録するため、指紋の登録率は100%近くとなります。  すごく、単純で分かりやすい方式なのですが、実は欠点が多々あります。  まず、指紋登録時の指の置き方や、強さ、置いた場所などと、認証の際の指の置き方と、相当同じ状態にならないと、画像がうまく重ならず認証できなくなってしまう、認証に時間がかかるという欠点があります(最近ではコンピュータの性能もあがってきたため、画像を回転させたり、拡大縮小することが容易になったので、相当ずれていても認識できますが・・・)。  次に、画像を保存しておくためデータ量が多くなると言う欠点があります。  そして最大の欠点は、万が一指紋認証システムそのものから、指紋の画像データを抜きだされてしまった場合、その画像を利用して、シリコンなどで「偽指」を作られてしまう可能性があります。その偽指で犯罪などおこされたら、たまったもんじゃありませんよね!究極の個人情報が流出してしまう可能性があるのです。  これらの理由により、現在では民生機器ではほとんど利用されておりません。

周波数解析方

 この方式は、一部のメーカーの機器でのみ利用されておりますが、センサーで読み取った指紋画像を、1ライン毎に解析し、周波数解析を行う方法との事です。私はこの技術については勉強不足のため、詳細は「指紋認証 周波数解析」などで検索してみていただければと思います。  この方式の最大の利点は、登録率が100%であるとの事のようです。指紋の濃い薄い、傷の度合いなどにもあまり関係なく使えるそうです。また1ライン毎に解析する方式のため、スワイプセンサーとの相性もよく、機器のコストを下げることができるようです。  欠点としては、1ライン毎に評価する方式のため、指紋形状でなくても、登録、認証ができてしまうという事があるようです。

マニューシャ方式(特徴点抽出方式)

 現在、ほとんどの機器で採用されている方式です。また、ISO標準としても認められており、空港の指紋認証装置などでも採用されています。  このマニューシャ方式(特徴点抽出方式)ですが・・・まずは自分の指紋をじっとながめてみてください。虫眼鏡が必要かもしれませんね!よく見てみると、指紋の溝には、溝の端点(溝が終了している場所)と、溝の分岐点(溝が分岐・接合している場所)が存在しているかと思います。特徴点とは、この端点と分岐点の事をいい、これらの点の分布状況をデータとして保存しておきます。  認証の際にも、同じように端点を抽出して、記録してあるデータと比較していきます。どれだけの点の数を記録しておくかによって、精度に違いがでてきますが、おおよそ数点から12〜13点程度あれば、本人の特定ができるようです。  この形式では、特徴点の場所をデータとして記録しておくだけでよく、指紋データが少ないデータで記録できること、データが少ないため認証時間が短くてすむこと、そして仮にこの特徴点情報が流出しても、元の指紋形状はわからないため、登録本人の指紋を再現される恐れがないこと、などから現在の主流の方式となっております。

 弊社の「指紋認証ソフトBIO-Plus」で採用しております、指紋読み取り装置の「ハムスター」も、マニューシャ方式(特徴点抽出方式)を使っております。

次回は「FAR」とか「FRR」とか聞き慣れない単語について書く予定です。